高齢化社会になった今でも高齢者に部屋を貸すのをためらう方は多いのではないでしょうか。なんとなく不安だからと言って高齢者を断っていると空室が増えることにもなります。
高齢者の賃貸にはリスクがあります。ただ、その内容を把握しリスクを最小限に抑えることができれば、若い方に賃貸するよりも少ないリスクで満室にできます。
どのようなリスクがあって、どう対処すればいいのかをご紹介します。
高齢者賃貸のリスクは
① 病気やケガによる長期入院
② 入居者が認知症になる
③ 家賃滞納
④ 入居者が孤独死
⑤ 残置物
それぞれについて、内容と対策方法をご説明します。
① 病気やケガによる長期入院
高齢者になれば持病の悪化やケガによって入院することがあります。短期入院なら良いのですが、30日以上の長期入院となれば、いつ退院できるかもわからないケースが出てきます。
そうなると入院費もかかり家賃とのダブル支払になる可能性もあります。
その費用を息子や娘さんが支払いしてくれるならいいのですが、入院が長引いて3ヶ月ともなれば滞納になることもあります。
対 策
・家賃保証会社に加入すること
・契約書に「長期入院となる場合、賃貸契約を解除できること」を記載する
② 入居者が認知症になったら
認知症のなっているかの判断は難しいとは思いますが、基本的には痴呆症になれば家族が自宅で看病するか施設に入るかとなりますので、自然と退去することとなります。
しかし、認知症の初期段階では家族が認知症と認めないのに、夜中に騒いだり徘徊したりして他の入居者に迷惑をかけることも出てきます。
対 策
・契約書に「認知症の疑いがある場合は契約解除できること」を記載する
③ 家賃滞納
家賃の滞納については、高齢者だけでなく全ての入居者にあるリスクですので、すでに多くの方が対策をしていると思います。
対 策
・家賃保証会社に加入する
④ 入居者が孤独死
高齢者になると亡くなるリスクが若い人よりも高いです。特に孤独死になると発見が遅れ、部屋から異臭が漂いなんてことになれば最悪です。
人は必ず亡くなりますが、どこでなくなるか、その場所が賃貸では重要となりますので、トイレやお風呂で倒れてそのまま亡くなり1か月後に発見とならないようにしたいです。
対 策
・見守りサービスに加入する
⑤ 残置物
高齢者の場合の残置物は遺留品となることが多いと思いますが、勝手に捨てることも出来ませんので入居前に対策しましょう。
対 策
・残置物撤去費用が含まれる家賃保証会社に加入
・契約書に残置物処分に関する条文を記載する
事前に準備すること
高齢者に入居してもらうことのリスクと対策を簡単に書いてきましたが、問題が起こってからでは遅いので十分な対策ととってから募集活動をしてください。
契約書の内容を確認。高齢者用の契約書を作っておく
家賃保証会社のサービス内容を確認しておく
見守りサービスを決めておく
緊急連絡先は最低2ヶ所は確認しておく
最後にもう一つ考えて欲しいのが
契約を1年の定期借家契約で行うこと
1年の定期借家契約にすると1年毎に入居者の状態を確認できたり、連帯保証人の変更がないかも確認できます。
このように準備しておけば、不安がることなく高齢者でも受け入れできると思います。